プレゼントのラッピングや、小瓶のアクセントに使える可愛いお花の紐。自分で作れたら素敵ですよね。「でも、編み物って難しそう…」と感じている方も多いのではないでしょうか。実は、今回ご紹介するお花の紐は、編み物の基本的なテクニックだけで作れるので、初心者の方でも挑戦しやすいデザインです。この記事では、写真を交えながら、誰でも簡単にお花の紐を編めるように、一つ一つのステップを丁寧に解説していきます。
- 必要な道具と基本の材料
- 花びらを編むための基本的な編み方
- 紐の長さを調整する方法
- 綺麗に仕上げるための糸処理のコツ
基本のお花がついた紐の編み方と材料
- 指で作る輪の作り目からスタート
- 簡単で可愛い花びらの編み方
- ふっくら可愛い長編みの編み方
- 花びらを完成させる引き抜き編み
- 花びらの編み方を5回繰り返す
まずはお花のモチーフを片方だけ編んでいきます。基本となる材料とかぎ針さえあれば、すぐに始められます。ここでは、お花の中心部分の作り方から、花びらを一枚ずつ丁寧に編み上げていく方法までを解説します。
指で作る輪の作り目からスタート
お花の中心部分は「輪の作り目」から始めます。これは、あとから糸を引くことで中心の穴をキュッと引き締めることができる、とても便利な編み方です。初心者の方でも分かりやすいように、指に毛糸を巻きつけて作る方法をご紹介します。
まず、人差し指と中指の2本に、毛糸をゆるめに2周巻きつけます。このとき、きつく巻きすぎないのがポイントです。巻き終わったら指からそっと外し、輪が崩れないように親指と中指でしっかりと持ちます。

次にかぎ針を輪の中に通し、奥にある毛糸を引っ掛けて手前に引き出します。そのままもう一度糸をかぎ針に掛けて、かぎ針にかかっている輪の中に引き抜きます。これで、輪の作り目の準備が完了しました。この輪の中に、これから花びらを編みつけていきます。
輪の大きさに注意
指に毛糸を巻く際、緩めに巻くのが綺麗に仕上げるコツです。きつく巻いてしまうと、後でかぎ針が入りにくくなったり、中心の輪を引き締めにくくなったりします。
簡単で可愛い花びらの編み方
お花の花びらは、「鎖編み」「長編み」「引き抜き編み」という3つの基本的な編み方を組み合わせて作ります。この一連の流れを1セットとして、合計5回繰り返すことで、可愛らしい5枚の花びらが完成します。
編み方のパターンは非常にシンプルなので、一度覚えてしまえばスイスイ編み進められます。まずは1枚、ゆっくり確実に編んでみましょう。
花びら1枚の編み方パターン
以下の順番で編むと、花びらが1枚完成します。
順番 | 編み方 | 備考 |
---|---|---|
1 | 鎖編み 2目 | 花びらの立ち上がり部分 |
2 | 長編み 1目 | 花びらの膨らみを作る |
3 | 鎖編み 2目 | 花びらの下がり部分 |
4 | 引き抜き編み 1目 | 輪に花びらを固定する |




この4ステップを1セットとして、輪の中に編んでいきます。
ふっくら可愛い長編みの編み方
花びらのふっくらとした形を作るのが「長編み」です。少し工程が多いですが、仕組みは簡単なので焦らず挑戦しましょう。
まず、かぎ針に糸を掛けた状態で、輪の中に針を入れます。そして、もう一度糸を掛けて輪の中から引き出します。この時点で、かぎ針には3本の糸がかかっている状態になります。
次に、かぎ針に糸を掛け、左側にある2本のループだけを引き抜きます。すると、かぎ針には残り2本の糸がかかっている状態になります。最後に、もう一度かぎ針に糸を掛け、その残り2本を一度に引き抜きます。これで長編みの完成です。高さがあり、少しボリュームのある編み目になります。
花びらを完成させる引き抜き編み
花びらの最後は「引き抜き編み」で輪に固定します。これは、編み目を増やさずに段を終わらせたり、糸を渡したりする際に使う基本的な編み方です。
かぎ針を輪の中に通し、糸を掛けて手前に引き出してきます。この時、かぎ針には元々かかっていたループと、新しく引き出してきたループの2本がかかっています。新しく引き出してきたループを、そのまま元々かかっていたループの中に通すように引き抜きます。
これで花びらが1枚、輪にしっかりと固定されました。この引き抜き編みを行うことで、花びらの形がキュッと締まり、綺麗なシルエットになります。
引き抜き編みをするときは、あまりきつく引き抜きすぎないのがポイントです。次の花びらを編むときに、編み地が詰まって編みにくくなるのを防げますよ。
花びらの編み方を5回繰り返す
ここまでで、花びらが1枚完成しました。お花の形にするために、同じ作業をあと4回、合計で5回繰り返します。
「鎖編み2目 → 長編み1目 → 鎖編み2目 → 引き抜き編み1目」という一連の流れを、どんどん輪の中に編んでいきましょう。編み進めていくうちに、少しずつお花の形が見えてきます。5枚目の花びらを編み終えたら、最初の花びらは完成です。

編んでいる途中で、輪が毛糸でいっぱいに見えても心配ありません。少し編み目をずらしながらスペースを作って編み進めてください。
紐部分から繋げるお花の編み方
- 鎖編みでお好みの長さを出す
- 反対側の花を編むための輪の作り方
- 中心をきれいにする輪の縮め方
- 完成度を上げる糸処理のやり方
片方のお花が完成したら、次はお花とお花をつなぐ紐の部分を編んでいきます。そして、紐の先にもう片方のお花を編みつければ完成です。2つ目のお花を編むときは、紐とつなげながら編むため、少しだけ注意が必要ですが、編み方自体は最初のお花と全く同じです。
鎖編みでお好みの長さを出す
紐の部分は「鎖編み」だけで作ります。鎖編みは、かぎ針編みの最も基本的な編み方です。かぎ針に糸を掛けて、かかっているループから引き抜く。この動作を繰り返すだけで、どんどん鎖が連なって紐状になっていきます。

ラッピングに使いたいなら長めに、キーホルダーのように使いたいなら短めに、といったように、用途に合わせてお好みの長さになるまで鎖編みを続けてください。
綺麗な鎖編みのコツ
鎖編みを綺麗に編むには、人差し指にかけている糸を常にピンと張った状態に保ち、同じ力加減で編み続けることが大切です。力が緩んだり強くなったりすると、鎖の目の大きさが不揃いになり、よじれの原因になります。
反対側の花を編むための輪の作り方
お好みの長さまで紐を編んだら、2つ目のお花を編んでいきます。ここが少しトリッキーな部分です。
まず、最初のお花と同様に、指2本に毛糸を2周ゆるく巻きつけ、輪を作ります。そして、輪が崩れないように指から外す際、今まで編んできた鎖編みの最後の部分も一緒に親指と中指でつまんでください。


かぎ針を新しく作った輪の中に通し、糸を掛けて引き出します。そして、その引き出したループを、鎖編みの最後の目(かぎ針にかかっているループ)に引き抜きます。これで、紐と新しい輪が繋がりました。ここから、1つ目のお花と全く同じように、この輪の中に花びらを5枚編みつけていきます。

中心をきれいにする輪の縮め方
5枚の花びらを編み終えたら、お花の中心にある大きな輪を縮めて、穴を閉じます。この作業で、お花の形がくっきりとします。
輪の作り目には、糸端ともう1本、輪になっている糸があります。まず、編み始めの糸端の根元から出ている、輪になっている方の糸をゆっくり引っ張ります。すると、2重になっている輪のうち、片方が先に縮まっていきます。完全に縮まったら、次に編み始めの糸端を引っ張ります。そうすると、残りの輪も綺麗に縮まり、中心の穴がほとんど見えなくなります。

糸を引く順番に注意!
いきなり糸端を力任せに引っ張ると、糸が絡まって締まらなくなることがあります。必ず「輪になっている方の糸」→「糸端」の順番で、ゆっくりと引き締めてください。
完成度を上げる糸処理のやり方
最後に、残っている糸端を編み地の裏側で隠して始末する「糸処理」を行います。この作業を丁寧に行うことで、作品の完成度がぐっと上がります。
とじ針に糸端を通し、編み地の裏側の目立たない部分に数回くぐらせていきます。このとき、表に糸が響かないように、裏側の編み目の糸を半分すくうように通していくのがコツです。
糸処理のポイント
糸を同じ方向にだけ通すのではなく、途中で一度折り返すように逆方向にも通すと、よりほつれにくくなります。2つ目のお花の中心部分は、糸が3本(編み終わりの糸、輪の中心だった糸2本)あるので、それぞれ丁寧に処理しましょう。心配な場合は、糸処理をする前に裏側で2本の糸を固結びしておくと、さらに安心です。
プレゼントにも最適なお花紐の編み方
- この編み方は初心者でも簡単に挑戦できる
- 必要な道具はかぎ針と好きな色の毛糸だけ
- お花の中心は指で作る輪の作り目から始める
- 花びら1枚は鎖編み、長編み、引き抜き編みのセット
- このセットを5回繰り返して1つのお花が完成する
- 紐の部分はお好みの長さになるまで鎖編みを続ける
- 一定の力加減で編むと綺麗な紐になる
- 2つ目のお花は紐の端に輪を作って編み始める
- 輪と紐を一緒に持ちながら編むのがポイント
- 編み終わったら輪の中心を糸を引いて引き締める
- 糸を引く順番があるので注意が必要
- 最後にとじ針を使って裏側で糸処理を行う
- 糸処理を丁寧にすると仕上がりが綺麗になる
- ラッピングやアクセサリーなど様々な用途に活用できる
- 色や糸の種類を変えれば雰囲気が変わる
かぎ針編み作家𝘮𝘰𝘬𝘢𝘢𝘵𝘦𝘢です。
編み図がなくても編める、気軽で自由なかぎ針編みを提案しています。
はじめての方でも、暮らしの中でそっと楽しめるものづくりを目指しています。